東京スローリー

甘い誘惑 ― カフェーパウリスタ モンブラン

日本からブラジルに渡った移民達が生産したコーヒーを日本で普及させようと1911(明治44)年、銀座の今の交詢社ビル近くで創業したカフェ―パウリスタ。当時、銀座周辺には新聞社などのメディア企業が多く、そこに出入りする多くの文化人達が活動の拠点として利用されていたという。

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秋の銀座で濃厚な美味しさを

特に文学界では菊池寛、徳田秋声、宇野浩二、芥川龍之介、久保田万太郎、佐藤春夫、獅子文六などが常連客で、彼らの残したいくつかの文章に『カフェ―パウリスタ』の名前が登場する。その後、関東大震災により一旦は営業が途絶えたが、1970(昭和45)年、銀座八丁目の現在の地で営業を再開した。1978(昭和53)年には帝国ホテルに滞在していたジョン・レノンとオノ・ヨーコ夫妻が3日3晩続けて通い、その際に署名してもらったコーヒーカップは会社の金庫に大切に保管されているという。

ジョン・レノンとオノ・ヨーコ夫妻が署名したカップの写真

そんな『カフェーパウリスタ』はコーヒーと併せていただくホームメイドケーキが秀逸。今回は定番の『モンブラン』とウィーン発祥のチョコレートケーキ『ザッハ』をいただく。どちらも上品なクラッシックタイプのケーキ。特に『モンブラン』は、滑らかなマロンクリームにほのかなコーヒーの風味が効いた奥行きのある甘さを演出し、その頂きに置かれた国産の栗は本来の風味がしっかりと感じられコーヒーとの組み合わせによって一層濃厚な美味しさを愉しめる。重厚な昭和の喫茶店の名残を感じつつ、彩り重視の最近のケーキにはない伝統の美味しさを秋の銀座で味わう。そんな昼下がりがあってもいい。

カフェーパウリスタ モンブラン
大ぶりの国産栗が象徴的な『モンブラン』。表面のマロンクリームと中心のコーヒークリームのコンビネーションは当店ならではの味わい
ウィーンの有名チョコレートをベースにした人気のケーキ『ザッハ』
スチームドミルクにエスプレッソを注いでいただく『カフェラッテ』
きめ細かい生クリームたっぷりの『ウインナコーヒー』 

カフェ―パウリスタ 銀座本店

かふぇ―ばうりすた ぎんざほんてん
電話番号03-3572-6160
住所東京都中央区銀座8-9 長崎センタービル
営業時間1階 月~土9:00~20:00(フードL.O.19:00、
ドリンクL.O.19:30)日・祝11:30~19:00
(フードL.O.18:00、ドリンクL.O.18:30)
2階 月~土12:00~19:00(フードL.O.18:00、
ドリンクL.O.18:30)日・祝12:00~19:00
(フードL.O.18:00、ドリンクL.O.18:30)
休業日年末年始