東京スローリー

お客さまと紡いできた〝美味しい理由〞 ― レストラン 香味屋

扉を開けると、黒服に身を包んだウェイターが笑顔で出迎える。
テーブルには純白のクロス、クラッシックホテルを想わせる優雅な空間で供されるのは、昔ながらの洋食だ。
その基本は〝ご飯に合うおかずである〞これはまもなく創業100年を迎える『レストラン香味屋』の一貫した哲学である。

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この店を代表する2枚看板は、2代目がはじめた『ビーフシチュー』と3代目がはじめた『メンチカツ』だが、いただいたのは夏らしい『冷製コンソメ』。そして彩りも美しい『スペシャル洋食弁当B』。「コロナ禍では、出前やテイクアウトで人気のメニューでした」と語る副支配人の岡田晃さん。近隣への出前はコロナ禍前から行っていたというのも下町らしいサービスだが、この3年、常連さんからは大変重宝され感謝されたという。

「多くのお客さまから学ばせていただいております」と語る副支配人の岡田さん
夏に嬉しい『冷製コンソメスープ』1400円 

50年以上通い続けるお客さまもおり、先日は百寿のお祝いでステーキを召し上がった方もいたという。「お客さまにお店を大切に思っていただいていることに感謝します」と岡田さん。旧交を温めている友人同士や記念日を祝う家族連れ、普段着で食事を愉しむ常連客で賑わう店内は、やっと戻った日常の風景だ。「思い出したら食べたくなる美味しさ」は受け継がれたレシピだけでなく、顧客それぞれの思い出があるテーブルや空間、そして接客などによる賜物である。これこそが顧客と一緒に「美味しさ」を育んできた『香味屋』の魅力なのだ。

レストラン香味屋

れすとらんかみや
電話番号03-3873-2116
住所東京都台東区根岸3-18-18 
営業時間11:30~22:00(L.O.20:30) 
休業日水曜