東京スローリー

重厚な扉の向こうにある「手間暇惜しまぬ」至福のカツレツ ― ぽん多 本家

1905年、宮内省(現・宮内庁)大膳寮に勤めていた初代・島田信二郎氏が、西洋料理を担当する中で、豚肉の美味しさに惹かれ、余分な部分を除いた芯の部分のみを使い、自家製ラードで揚げる技術を磨いた。
このこだわりの技術を受け継ぎ、四代目のご主人は「まずは土台づくりが大切」と語り、余分なものを削ぎ落し、豚肉の美味しいところだけを贅沢に使用する名物料理『カツレツ』を提供している。

 » 重厚な扉の向こうにある「手間暇惜しまぬ」至福のカツレツ ― ぽん多 本家

ハレの日の外食だからこそ、
家では食べられない食事を

その『カツレツ』は、余計な脂身を惜しげもなく切り落とし、綺麗な豚肉を優しく包むように衣をまぶして自家製ラードで揚げられ、淡い黄金色に仕上がる。何もつけずにそのままいただくと、豚肉本来の旨みと丁寧な調理が実感できる。更に自家製ソースなどで自分好みのアレンジで白飯を食べ進めていくうちに、至福の瞬間が訪れる。

ご飯、赤だし、御新香は550円

「肉の美味しい〝ど真ん中〞だけを食べてもらいたいから、手間暇惜しまぬ仕事をするのは当たり前です」
と気さくに語るご主人。その仕事ぶは、2020年にNHKの「プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」でも紹介されるほどである。普段は調理に忙しくお客様と直接会話することは少ないが、そのリズム感溢れる仕事ぶりは、顧客と無言のコミュニケーションをとりながら美味しいものづくりをしているようにも感じられる。

ロース肉の美味しいところだけで作られる
「揚げている間は細工が出来ない。だから事前にしっかりと仕事をする」と語るご主人

入店を躊躇してしまいそうな重厚な扉の向こうには、気さくなプロフェッショナルによる極上の『カツレツ』が待っている。

創業以来、目指してきたのは「ご飯に合う洋食」。そして、ハレの日に相応しい家では食べられない特別な食事。白洲次郎・正子夫妻や池波正太郎など著名な美食家にも愛されてきた理由は、この『カツレツ』を食べればきっと分かるはずだ。

ぽん多本家

ぽんたほんけ
電話番号03-3831-2351
住所東京都台東区上野3-23-3 
営業時間火~土 祝前日
11:00~14:00(L.O.13:45)
16:30~20:20(L.O.19:45)
日・祝11:00~14:00(L.O.13:45)
16:00~20:20(L.O.19:45)
休業日月曜