東京スローリー

甘い誘惑 ― 銀座木村家 桜あんぱん

創業は1869(明治2)年。その後1874(明治7)年に初代・木村安兵衛氏が米食文化の日本オリジナルの酵母であった酒種をパンに応用することによってパンと餡の相性が抜群に高まり誕生した「あんぱん」。西洋と日本の食文化を融合させた発明である。その製法と味は大切に守られ、現在でも専門家に「酒種」は大切に受け継がれている。

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銀座で生まれて世界へ

季節の限定品も含めて、常時10種類以上の『あんぱん』が並ぶカウンターは圧巻。なかでも、八重桜の塩漬けをほんのり効かせた『桜あんぱん』は『銀座木村家』のトップブランド。
これら各種『あんぱん』など店頭に並ぶ商品はビルの7階の工場でつくられ、焼きたての美味しさは2階のカフェでも愉しめる。

八重桜の塩漬けがアクセントになる『桜あんぱん』は150年近く続く伝承の美味しさ
2階の喫茶では飲み物とともに『あんぱん』をいただくことができる

2017年、ベルギーにある世界中の著名なベーカー(パン屋)からサワー種(発酵種)を集めたコレクションに日本からは初めて木村家伝承の秘伝の種「酒種発酵種」が選ばれ加えられたという。西洋の「パン」が、この「酒種」を媒介として「餡」と出会い誕生した『あんぱん』。150年近く引き継がれた美味しさを導きだした「酒種」が世界的にも認められたのだ。インバウンドで賑わいが戻った今『あんぱん』を買い求める海外からの観光客が大変多く西洋人にも人気が高いという。彼らの食文化であるパンが日本で餡に出会い生まれた『あんぱん』は日本での食体験として良い思い出になっているのだろう。銀座で生まれ、今も銀座で造られる『あんぱん』は、長い歴史を経て世界で認められている。

ビルの7階でつくられた『あんぱん』が並ぶ店頭のカウンター。海外からの観光客だけで行列ができることもあるという
銀座木村家

銀座木村家

ぎんざきむらや
電話番号03-3561-0091
住所東京都中央区銀座4-5-7
営業時間パン売り場10:00~20:00
喫茶10:00~20:00(L.O.19:00)
休業日年末年始