食2024年04月01日

精肉専門店自慢のお肉を“すき焼”でいただく ― すき焼割烹　日山

広島で1912（大正元）年精肉店として開業した『日山』が東京へ進出したのは1927（昭和2）年。当初は精肉販売だけであったが1935（昭和10）年に『すき焼』を食べさせるお店を開業。
現在の『すき焼割烹　日山』のはじまりだ。人形町通りでもひときわ存在感のある和風建築は奇跡的にも戦火を逃れた歴史的建造物で複数の建物を継ぎ足しているのが特徴的だ。
しっかりとした梁や柱など貴重な日本建築の優れた技巧は今や目にすることの少ない文化遺産。

120年以上の歴史ある精肉専門店が全国から厳選した牛肉をいただく『すき焼』はお店の矜持。大判のお肉にきめ細かく入ったサシの美しさは期待感を一層高めてくれる。
脂はとろけるように甘く軽やかでお年を召したお客様もペロリと召し上がるという。長ネギやタマネギ、しらたき、豆腐といった定番の具材に季節の野菜が加わるのが『日山』のスタイル。さらに、お肉の香りや旨みを活かす為に水分の多い白菜や香りが強い春菊が入らないのも『日山』のこだわり。また『すき焼』をいただく前の前菜も割烹としてのプライドを感じる。

各個室にはそれぞれ仲居さんが接客し「最後まで最高に美味しい」状態でいただける。最高級のお肉を一枚ずつ炊き絶妙の状態で提供されるお肉は煮込まず焼くように炊く。お肉に様子を伺っているような仲居さんの真剣なまなざしにも〝すき焼割烹〞ならではのプロフェッショナルな仕事を垣間見ることができる。人形町の精肉専門店『日山』自慢のお肉を最高の〝すき焼〞でいただく。たまにはこんな贅沢があっても良い。