食
〝喧噪からの逃避〞静寂な〝離れ〞での江戸前天麩羅 ― 天麩羅 中清
浅草寺のほど近く、通りからは奥まった石畳の先にある『中清』。石灯籠の暖かな灯りが出迎える建物は蔵造り風の重厚な構え、そして数寄屋造りの離れと中庭。通りからは決して見ることのできないその空間は、まさに「喧噪からの逃避」。そんな情緒ある空間で供されるのは、時にサクッと、時にふわりと、素材の多彩な表現を引き出してみせる江戸前の天麩羅。
かつてタネは魚介のみだったが、お客さまの多様化とともに「季節を味わう」というコンセプトはそのままに旬の野菜タネの提供もはじめている。「息子とも相談してコースの種類を増やした」と語る六代目のご主人・中川敬規さん。
「お店を心配してくださったお客さまからの陣中見舞いが忘れられない」とコロナ禍の思い出を語るご主人。最近では多くの常連さんも戻り「離れ」での宴席も絶えることがないという。さらに「酒量が以前よりも増えているような」印象だとも。
〝寡黙な時間〞を経験した多くの顧客が『中清』の「離れ」で食べる極上の天麩羅に喜びを感じている証拠であろう。
お見合い、結納、披露宴や七五三などの慶事や法事など家族の節目での会食として多くの人々に愛されてきた『中清』の天麩羅。旬の新鮮な素材、ご主人の技術と人柄、そして静寂なお店の佇まい、その全てが調和して生まれる浅草の〝一流品〞だ。
新鮮な芝海老と貝柱をふんだんに使った名物「雷神揚げ」3,520円。これを目当ての常連客も多い
天麩羅 中清
てんぷら なかせい
電話番号 | 03-3841-4015 |
住所 | 東京都台東区浅草1-39-13 |
営業時間 | 月・水~金 11:30~14:00 17:00~21:00 土日祝 11:30~20:00 |
休業日 | 火曜 第二・第四水曜 |