食
明治30年創業の鳥すきやき専門店若き五代目の新たな挑戦 ― ぼたん
神田須田町の一角に建つ、趣深い木造建築。明治30年より『鳥すきやき』一筋で暖簾を受け継いできた名店『ぼたん』である。
「昔からガスは使わないで炭と鉄鍋、これがうちのスタイルです」2年前に五代目になった城一泰貴さんはそう話す。鳥肉は生産者からまるごと1羽ずつ仕入れ、調理場で腿肉や胸肉、レバー、モツ、ハツ、皮などに解体。これらを鳥の脂を敷いた鉄鍋を使って備長炭で焼き、割下を足してグツグツと煮ていく。鳥肉以外の具材は葱と白滝、焼き豆腐だけの『ぼたん』の流儀。頃合いを見てひと口食べてみると、割下には鳥の旨味がよく馴染み、肉の味が生きている。クセも感じられないのは何よりも素材が新鮮な証拠だ。
「100年以上続く暖簾を守りながらも、今だからこそ出来ることに取り組みたい」
と意欲を語るご主人
コロナ禍で五代目になったご主人が、まず取り組んだのはアナログで管理していた伝票や労務管理などのデジタル化。そしてSNSをはじめとするネットを活用した情報発信だ。「最近では海外のお客さまがネット予約でお越しになります」と成果も上がっていると言う。
創業以来の続く『鳥すきやき』の美味しさや歴史的建造物に指定されたお店の風情などは大切に守りながらも新しい取り組みに挑戦する五代目にこれからも注目したい。
ぼたん
電話番号 | 03-3251-0577 |
住所 | 東京都千代田区神田須田町1-15 |
営業時間 | 月~土11:30~21:00 (入店は20:00まで) |
休業日 | 日曜・祝日 |