東京スローリー

甘い誘惑 ― 菊廼舎 冨貴寄

1890(明治23)年創業。当初は瓦煎餅などを販売していたという。その後、昭和初期には二代目が干菓子『冨貴寄』を考案。以来、代表銘菓として多くの顧客に愛されている。

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丁寧な手仕事による〝美〞と〝味〞

バターなどを使用していない和風クッキー、砂糖がけの落花生、黒豆、金平糖、落雁など30種類の干菓子を美しく「吹き寄せ」た逸品。
ひと粒ごとに異なる形状と彩り、そしてその味わいと食感は、繊細で上品な美味しさだ。特に、缶を開けた時に拡がる光景は美しく食べることを一瞬躊躇してしまうほど。真ん中に富士山をイメージした打ち物、それを取り囲むように四季を象徴する「桜」や「紅葉」などのあしらいは、商品名を構成する漢字「冨」「貴」「寄」を表現している。この美しい陳列は全て手作業で行われ、干菓子の種類ごとに担当者が丁寧に並べないと実現できないという。

菊廼舎 冨貴寄
手作業によってうまれる美しい彩りの『冨貴寄』。季節ごとの限定品もある
季節の生菓子。店舗奥の工房で手づくりされる

 
長年店舗を構えていた銀座コアから現在地に移転して3年。「こちらに移転してから新しいお客様が増えました」と語る五代目ご主人の井田裕二さん。とくに最近は海外からに観光客がお土産として買われることが多いという。特に『冨貴寄』を小袋で包んだ商品は、日持ちする和菓子を手軽にいただけるお土産として喜ばれるに違いない。またご主人が毎日店内で手づくりする季節ごとの生菓子も人気が高い。最近では月に2回「和菓子教室」も開催し毎回盛況だという。丁寧な手仕事から生まれる美味しさは五代目によってますます進化している。

四代目が開発したマカダミアナッツを使った『揚げまんじゅう』。和と洋のコラボレーションが愉しめる
明るい店内。カウンターでは簡単な試食も可能

銀座 菊廼舎 銀座本店

ぎんざ きくのや ぎんざほんてん
電話番号03-3571-4095
住所東京都中央区銀座5-9-17 銀座あづまビル1F
営業時間平日9:30~18:00 土日祝9:30~17:30
休業日水曜